Editorial Managerユーザ会に参加してきました。

Editorial Manager, 2023.07.14

こんにちは。最近、姿勢が悪いせいか胸骨をポキッと鳴らせるようになった瀬谷です。ストレッチ頑張りマス。

さて先日、弊社が日本総代理店を務めている投稿審査システム「Editorial Manager」(以下、EM)のユーザ会参加のため、ボストンに行ってきました。
EMのユーザ会はEMの開発元であるAries Systems社(以下、Aries)が開催しており、EMUG(イーマグ)と呼ばれ世界各地からユーザが集まる国際的なイベントです。
オフラインでのユーザ会の開催は約4年ぶりとなり、久しぶりの長時間飛行や時差ボケに混乱しつつも、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。(2019年の参加レポートはこちらをご覧ください)

今回は、EMUG2023でディスカッションのポイントとなった学術業界全般に関する情報と、EMの最新情報、そして今後のロードマップを簡単に共有させていただきます。

学術業界におけるAI導入について

AI導入においては、EMUGのセミナーでもホットトピックとして取り上げられていました。AIの導入によって、日々目まぐるしい変化が起きていますが、学術業界におけるAIの導入においては懸念の目が向けられているようです。Open AI社のChatGPTなどによって、私たちの想像を上回る様々なことが可能になりましたが、学術業界においては、論文の捏造や偽造データの利用、架空の情報が出回る危険性が示されています。これまでも、二重投稿や利益相反などの倫理的問題もありましたが、AIの導入によってそれらの問題が更に強まるのではないかという懸念です。新規性、透明性が求められる業界だからこそ、一人ひとりが利用のルールを守り、適切に扱うことが大切だと指摘していました。現段階では、各機関でのガイドラインの設立が求められているようです。今後もしっかりと動向をウォッチしていきたいと思います。

データの確実性・正確性向上のために

EMでは、これまでも様々なサービス連携を積極的に行ってきましたが、データの確実性・正確性向上のため更なる連携を計画しているようです。
例えば、剽窃、研究データの再現性、引用文献の正確性、研究や審査の透明性、データ改ざんや利益相反などへの対策です。
これまでも、Crossrefの提供するSimilarity Checkとの連携である剽窃チェックサービスや引用文献のリンク先を自動確認するeXtylesと連携したReference Checkなどがありましたが、最近では以下の連携や機能開発が行われています。

  • Identity Confidence Check(著者の信頼度チェック)機能:著者の国やメールドメイン、過去の活動履歴から責任著者の信頼度をチェックする機能です。
  • Convey:利益相反の開示をシームレスに行う連携サービスです。
  • Dimensions Research Integrity Precheck:研究報告の投稿に関して、倫理審査やオーサーシップをチェックする連携サービスです。

どの機能も投稿の初期段階や審査フローの中で、さらにEM上でチェックができるため、重要事項を漏れなくかつ簡単に確認できます。今後も、積極的なサービス連携に期待しています。

先進的な新機能 – LiXuid Manuscriptとは?

Ariesが現在最も力を入れているLiXuid Manuscriptの開発についても発表がありました。
LiXuid Manuscriptとは、製作工程の省力化に繋がるXML自動生成ツールです。
これまでの製作工程では、校閲や校正など論文公開までに様々な労力やコストがかかっていました。また修正が入った場合は公開が遅延するリスクもあります。
LiXuid Manuscriptでは、これまでWordやPDFで投稿されていた「未構造化データ」を、自動的にXMLなどの「構造化データ」に変換し、採択~出版までの省力化に繋げる革新的な機能となります。EMUGのセミナーでは、実際の画面デモンストレーションや開発内容の共有があり、今後のリリースに更に期待が高まりました。

今後のロードマップ

今後のEMについても様々な進化が予定・検討されています。
具体的には、UI(ユーザインターフェース)とUX(ユーザエクスペリエンス)の更新、APIサービスやサードパーティとの連携強化などです。
ユーザインターフェースは、ここ数年で段階的にアップデートが行われていますが、今後もモダンで操作がしやすい画面に変更される予定です。
また、インフラ面では、拡張性を高めパフォーマンス向上を目的としてAWS(Amazon Web Services)への移行が予定されています。これによりAriesは顧客のニーズに応える迅速な開発が可能になる見込みです。
ユーザ様にとって、さらに使いやすく様々な進化が予定されていますので、EMをお使いの皆様は是非ご期待いただければと思います。

最後に

今回は、Ariesとも個別のミーティングを行い、日本のお客様からの要望共有や連携強化のための貴重な時間となりました。
EMUGで一番感じたことは、Ariesの「ユーザ最優先」の姿勢です。すべての機能や拡張はユーザの声を元に開発されており、開発途中の機能に対しても実際に意見を募集していました。私たちアトラスも、日本の総代理店として日本のお客様からの要望を出しておりますので、どんなご意見でもお気軽にお知らせいただければと思います。
更に使いやすくなるEM、ジャーナルの価値向上に向けて弊社がお手伝いできることを目指していきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

おまけ

写真は、「こんな機能あったら良いな」をテーマにディスカッションをしている写真です。Ariesメンバーも参加者と一緒になってより良い案を考える姿がとても印象的でした。

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