Aries Systemsとのパートナーシップ

Editorial Manager, 2023.07.31

こんにちは。あつがなつい世代のいづいです。
2023年6月、弊社が日本総代理店を務めている投稿審査システム「Editorial Manager」(以下、EM)の開発元であるAries Systems社(アリエスシステムズ社。以下、Aries)を訪問しました。世界中のEMのユーザが集まるEditorial Manager User Group Meeting (EMUG:イーマグ)がボストンで4年ぶりにEMUG2023として開催され、その参加と合わせてパートナーであるAriesと久々に顔を合わせて話すことができました。
EMUG2023は前回のこちらの記事でご紹介しておりますのでぜひご覧ください。今回はAriesと弊社の関係を振り返って紹介します。

Ariesとのなれそめ

アトラスがEMの日本での独占代理店契約を結んだのは2009年のことです。そのころ弊社は日本の学協会が利用する投稿審査システムの開発・運用に携わっていましたが、さらに多くの日本のジャーナルに利用してもらうには維持が大変な時期に差し掛かっていました。当時EMはすでに海外ジャーナル3000誌以上で利用されている有名なシステムで、より多くの日本の学会に投稿審査システムを使ってもらうには、これを日本でも取り扱えるようにする、というのが一つの選択肢でした。
日本での取り扱い開始にあたり、約1週間Ariesのオフィスを訪れトレーニングを受けました。Ariesのオフィスはのどかな風景が広がるボストンのアンドーバーにあり、いわゆるスタートアップ企業のような感じではなく落ち着いた雰囲気の会社です。当時のCEOはじめ、セールス、カスタマーサポート、インフラ、開発エンジニア、どのスタッフの人もとても優しく接してくれて、非常にアットホームな会社でした。アメリカのITサービス会社とのパートナーシップは初めてで不安もありましたが、アトラスと会社の規模も同じくらいで雰囲気が似ていること、そして偶然にもどちらも創業が1986年と共通点が多いことから、とても親近感が湧いたことを覚えています。
その後は、定期的な電話会議だけでなく、ボストンのEMUGに参加するなどのやりとりが増えました。また、EMUGの日本版、EMUG Japanを弊社で何度か開催した際は、Ariesから主要メンバーが来日して参加し、日本のユーザの声にも直接耳を傾けてくれました。CEO(当時)が来日したときは、Ariesとアトラスの関係についての俳句を作ってプレゼントしてくれたり、またAriesのオフィスにEMUG Japanのときの写真をパネルにして貼ってくれたり、単に仕事のやり取りがある会社以上の関係として見てくれているのはとても嬉しく感じていました。

Ariesオフィス内のEMUG Japanのパネルの前でJeffさんと。

青天の霹靂、その後

2018年にエルゼビアがAriesを買収したという大きなニュースがあり、非常に驚きました。
当時、エルゼビア以外の多くの海外出版社もEMを使っている状況で、界隈ではどうなるのか不安の声も聞こえました。その後割と早い段階で、各出版社のデータは各出版社が単独で保持すること、今後のEMのサービス開発・運用方針はエルゼビア以外の出版社を含めたAries Industry Advisory Board (AIAB) を組織しそこで諮っていくことが対外的に明示されました。結果的に今もエルゼビアの意向とは独立した運用体制がとられています。
今回、私自身はこの買収以降初めてAriesを訪問しました。オフィスでの対面ミーティングとEMUGを通して15名以上のAriesメンバーと話しましたが、昔からAriesにいるスタッフはまったく変らずの雰囲気でしたし、それ以外の新しいスタッフも、EMUGに集まったユーザに寄り添う姿勢が買収以前のAriesと同じでホッとしました。

ミーティング後Ariesオフィスのエントランスで。

そしてこれから

Ariesとアトラスのパートナーシップは2009年からで、来年で15年を迎えます。日本での販売開始から携わる私個人としても、14年来の付き合いがあるAriesメンバーに今回直接会えて旧交を温められたのはとても感慨深いですし、また、最近Ariesに入ったというたくさんのメンバーも現地で積極的に話しかけてくれ、ここからまた新たに長くお付き合いできる人が増えるのかと嬉しく感じました。
EMは現在世界で9,200ジャーナルが利用するサービスに成長し、また、Ariesは投稿審査のシステムを提供するだけの会社ではなく、学術出版における様々なトレンド、課題やニーズに応えるリードカンパニーとなっています。このような会社と長くパートナーシップを続けられていて非常に感謝しています。日本では、J-STAGEの投稿審査システムの一つとしてもご利用いただき、利用ジャーナルもようやく300に届くところで、今後もAriesとともに日本でEMをさらに多くのジャーナルに有効に活用していただけるよう努めていきます。

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