PubMedで論文が検索されるようになるまで④
PubMed, 2018.09.19こんにちは。ジェイミーです。
9月下旬と言えばシルバーウィーク。今年は土日休みの方にとっては2週続けての月曜休み。いつもの日曜夜は「情熱大陸」からの「ゲンバビト」を見ながら月曜の準備をしているのですが、先週と来週の月曜は時間を気にせず睡眠負債を返済しています。
前回の「PMCとはなにか」に続き、第4回はこれまでのまとめとなるアトラスが実際にサポートしてきた経験もふまえて「PubMedで論文が検索されるようになるまで」についてお伝えしたいと思います。
申請先は「MEDLINE」?「PMC」?
これまでお伝えしてきましたように「PubMedで論文が検索される」には「MEDLINE」か「PMC」に論文が収録されないといけません。もし、編集委員会や理事会で「PubMedで論文を検索させる」と言うお話になったとき、学協会様が最初に検討することは申請先をどちらにするのか決めることです。
はじめに言うのもなんですが、どちらに申請しても審査に落ちてしまった場合、再申請は最低2年経過しないとできないため慎重にご検討いただく必要があります。
「MEDLINE」と「PMC」の選定条件は過去の②と③こちらをご覧いただきたいのですが、申請先が決まったら「MEDLINE」または「PMC」のアカウントをWebサイトから作成します。
図1 MEDLINEとPMCのアカウント登録画面
アカウントを取得できたら申請フォームへ必要な情報を登録していきます。
申請時に気になることがあれば、FAQも充実していますし直接担当者にメールで質問できます。不明点はどんどん質問してしっかりとした内容で申請できるようになっています。
無事に申請フォームから申請が完了したらアカウント作成したメールアドレスへ申請完了メールが届きます。
申請までは「MEDLINE」と「PMC」に違いはありませんが、ここから先はそれぞれ違いがありますのでこれまでのサポートした経験をもとにご説明していきます。
「MEDLINE」の場合
申請後は基本的に審査結果を待つだけとなります。
年間3回(2月、6月、10月)の審査があり、具体的な日付は非公開となっていますが、審査月の翌月末ぐらいまでに結果がメールへ届きます。審査の状況がどうしても気になる場合は、直接NLMの審査委員会へメールで問合せることもできます。
審査結果はPDFで届きますが、不採択の場合でもNLMへ依頼するとさらに詳細なレポートを入手することができます。
残念ながら、これまでアトラスでサポートさせていただいたジャーナルは採択されておりません。ただ、いっしょに申請に関わっていただいた先生がこのレポートを見て、「結果は残念でしたが、ジャーナルの質を向上させると言う意味では、何が足りていないのかを知る機会になったので学会にとって貴重な資料です。」と仰っていたことが印象に残っています。
「PMC」の場合
申請が完了すると数日後にメールで審査結果が届きます。
採択となった場合は、届いたメールに次のステップとしてサンプルデータ(XMLファイル)を提出するように指示がありますので、XMLファイルを作成して提出します。サンプルデータ提出後はPMC側での検証チェックがあり、修正点などはその都度担当者からメールが届きますので合格となるまでデータを修正します。
検証完了後は、学協会様とPMCとの間で同意書を交わしてPMC掲載への契約を済ませます。
最後にジャーナル毎にPMC内の公開サイトが提供されますので、ヘッダーや学協会様のWebサイトへのリンクなどを設定して論文を公開していただきます。
申請からPMCで論文を公開するまでの期間としてはだいたい6ヶ月程度です。
PubMedで論文が検索できるようになる
「PMC」の場合、論文が公開されるとPubMedで記事のタイトルなどを検索すると検索結果に表示されます。PubMedでは、タイトル・著者・所属・抄録などの書誌情報が見れますが、画面右上にある「PMC」のアイコンをクリックすると「PMC」で全文を見ることができます。
図2 PubMedからPMCへの画面遷移
これまで「MEDLINE」と「PMC」の申請をサポートさせてもらっておりますが、「MEDLINE」はやはり狭き門です。「PMC」はサンプルデータがしっかりできれば、費用はかかってしまいますが、確実にPubMedで論文が検索されるようになります。
また、申請フォームや担当者とのやり取りは英語のみなので、もし英語ができる編集委員の先生や事務局のご担当者様がいればよいのですが、それは難しいという場合は、アトラスがサポートいたしますのでご安心ください。
もしアトラスでサポートさせていただく場合、申請フォームにはジャーナルの特徴や編集体制に関するお話など学協会様にもいろいろとご協力いただかないと進められません。
「お願いしたので、あとはよろしくね!」とはいきませんのであらかじめご承知ください。採択された喜びをいっしょに味わいましょう。
4回にわたったPubMedシリーズは今回で最後となります。みなさんのためになったか気になるところですがちょっと役立つポイントはこちら。
※よかったらアトラスへご相談くださいね。
次回は何を書くか決まっていませんが、「なるほどなぁ」と思ってもらえるコラムにしたいと思っています。
See You Later !!
③← [PubMedで論文が検索されるようになるまで]