JaLCイベント「対話・共創の場」に参加してきました!

JaLC, 2020.02.17

はじめまして、パクです!

2020年1月16日に開催されたJaLC (ジャルク:Japan Link Centerの略です) イベント「対話・共創の場」に参加してきました。JaLCでは毎年このイベントを開催していますが、私は初参加だったので、今回はこのイベントについて簡単に紹介します。

JaLCについてはJaLCカテゴリで紹介していますので、よかったら見てください

 

対話・共創の場とは?

JaLC関連テーマを説明し、JaLCの発展の方策について参加者全員と意見を交わし、今後に活かすためのイベントです。JaLCやDOIなどに関心がある方は誰でも参加できます。

同日には「メンバーミーティング」というイベントも開催されていました。メンバーミーティングは、JaLCの実績や最新状況などを共有するための、JaLCメンバー(正会員、準会員)を対象としたイベントとなります。

以下のJaLCのWebページで過去のイベントを公開していますので、入会を検討されている方や興味のある方は見てみると良いと思います。
JaLCイベントアーカイブ

 

イベントでのトピック

イベントでは色々な情報を得ることができましたが、その中でも個人的に興味深かったことをいくつか紹介します。

今回のイベントでは特別ゲストとしてCrossrefのMs.Rachael Lammey(Head of Community outreach)氏が招かれ、Crossrefのストラテジーと最新のサービスについて説明いただきました。その中でみなさんと共有したいのは以下の2点です。

  • Crossrefの取り組み:ORCID auto-update
  • ROR (ロアー、Research Organization Registry)

(ネイティブのMs.Rachael Lammey氏からの紹介だけで、RORの読み方が表記されてなかったです。「ルオー」「ロアー」「ロール」など、発音について他の参加者だちと議論がありましたが、私はロアー派なので、ロアーと表記します)

 

ORCID auto-updateは、Crossrefへデータを送付する時にORCID IDを設定することでORCID登録データが自動的にアップデートされる機能です。この機能は2015年にリリースされ、新しい機能ではないですが、Crossrefが以前から他識別子との連携を大事にしていたのがわかります。

今のJaLCにORCID auto-updateのような機能はありません。しかし、JaLC関係者から「JaLCも最近ORCIDとの連携に取り組んでいる。また、ORCID auto-update機能ではないが、2020年4月にORCID連携機能のリリースが予定されている」という話があったので、今後JaLCにもORCID auto-updateと同じ機能が追加されるのではないかなと思います!

(ORCID auto-updateについては別の記事で少し話したことがあるので、興味がある方はゆるりとしたORCIDの連載 その④ 具体的なORCID活用シーン – Crossref –を見てください)

 

ROR は「Research Organization Registry」の略で、世界の研究機関のために、オープンで持続可能な識別子の開発を目指すコミュニティ主導のプロジェクトです。つまり、研究機関に識別子をつけるためのプロジェクトです。

RORにより、今までインフラがなかったため情報として漏れていた研究機関の識別子と関連メタデータが管理できます。また、ROR IDを付与することで、研究機関間の識別ができてコミュニケーションがより活発になり、研究機関と研究資金支援機関との連携もより簡単にできます。ちなみに、Ms.Rachael Lammey氏によりますと、RORは2019年1月にサービスを初め、まだ1年しか経ってないですが、既に91,000以上の機関が登録されているようです!

ID (識別子) の浸透により、どの研究機関の誰がどの研究費を使ってどんな研究をし、その成果とインパクトはどうだったかがわかる時代へ

上記はこのイベントの前日に私が参加したJEPAセミナーで聞いたことですが、今回RORの話を聞いてまさにそういう時代になっているのを実感しました。
これで、学術コミュニケーションの発展に必要な、以下の識別子が揃いました!

  • 論文 (DOI)
  • 研究者(ORCID)
  • 研究資金支援機関(Open Funder Registry)
  • 研究機関 (ROR)

後3つで神龍を呼ぶことが出来ます!(ピンときたあなた、座布団2枚)

 

おわりに

初参加でしたが、JaLCとCrossrefの最新状況や取り組みなど、様々な情報を得ることができ、またJaLCをより良くするための努力が伝わってきて参加して良かったと思います。

特に、JaLCストラテジーとロードマップの説明で今後ORCIDとの連携機能が追加されるという話があり、他のIDサービスとの連携は学術コミュニケーションの発展に繋がるので、学術関連で働く一員としてとても楽しみです。

学会関係者や出版関係者など、様々な方が参加しましたが、思ったより参加数が少なかったのが少し残念でした。この記事により次のイベントには参加者が増えたら嬉しいです。
それでは皆さん、良いJaLCライフを!

 

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