ゆるりとしたORCIDの連載 その⑦ “ORCID Japan Workshop 2019” でアトラスの取り組みを紹介しました。
ORCID, 2019.07.08高橋です。
2019年6月28日に開催されたORCID Japan Workshop 2019において、Society to ORCIDを中心に、アトラスのORCIDの取り組みを発表する機会をいただきました。
今回はORCID Japan Workshop 2019について報告します。
<開催直前の会場の様子>
ワークショップの趣旨
ORCID Japan Workshop 2019の案内はこちらです。
案内にあるとおり、メンバー機関の取り組みおよび、現在準備中のORICD日本コンソーシアムの状況について報告がありました。
報告された内容
各メンバー機関より様々な取り組みやサービスの紹介がありました。
特に大学や研究機関は、自機関の分析や研究者評価のためにORCIDを活用して(今後活用しようとして)いました。
Society to ORCIDのリリース後は大学・研究機関の方とORCID関連のお話しをする機会が増えておりますが、向いている方向は同じだという認識を持っています。ただ、各機関の取り組み事例をシェアする機会があまりないため、他大学の様子が気になっているようでした。
今回のワークショップではそのあたりが前進したのではないでしょうか。
上記と関連するのですが、大学コンソーシアムの検討状況についての報告がありました。
大きなトピックとしては、大学ICT推進協議会(AXIES)がリード機関になり、コンソーシアムの事務局業務を担うことが内定したことです。
もう少し機関メンバーが集まると、単独でメンバーになるよりも費用負担が少なくなるとのことで、今はメンバーになっていない各大学にも働きかけていくことになっています。
コンソーシアムができることで、費用面はもちろんのこと、コンソーシアム参加機関の情報共有といった効果も期待できます。
ワークショップの中で、「同じような悩みを抱えている人が学内で探せなくても他の大学にはいる」というコメントがありましたが、まさにそのとおりだと思います。
ORCIDのチカラを再確認
ここからは感想です。
ワークショップに参加したことで、ORCIDのダイナミックさを再確認しました。
よくあるプロフィールサービスは自分の情報は自分で更新することが多いですが、ORCIDは当該の研究者が実施した多岐にわたる活動に対して、活動の事実を証明する権限を持った機関が、その証明書(以下ではバッジと例えています)を与える点に一番の特徴があると思います。
自分で履歴書を更新するのではなく、権限をもった機関が証明バッジを付与するようなイメージです。
例えば、雇用した機関がその事実を証明する、論文を発行した出版社がその事実を証明する(CrossrefのAuto-update機能で実現済み。個人的にはJaLCでも対応すると素晴らしいと思います)、助成金を提供した機関がその事実を証明する、何かの賞を提供した機関がその事実を証明する、といったように、スカラリーコミュニケーションに携わる機関がそれぞれ持ち寄って、研究者の履歴書・職務経歴書を作り上げるダイナミックさが、支持されているのではないでしょうか。
上では機関の「権限」と書きましたが「義務」という考え方もあるかもしれません。というのも、証明バッジを持った機関がちゃんと研究者にバッジを渡さないと、その人は自作のバッジを胸に付けないといけなくなります。
研究者からすると、「正式なバッジをくれよ」となると思います。
バッジ受け渡しの1つのルートとして、Society to ORCIDは活躍できますので、もっと貢献したいと思っています。
機関が研究者のプロフィールを作成するということは、研究者の手を煩わせずに本業に集中してもらうことにも繋がっています。
最近、ほとんどの研究者から「事務作業で忙しくて時間が少ない」という声を聞きます。弊社のサービスは「研究者の事務作業を軽減して本業の時間を確保する」ということがベースにあるので、考え方も近しいものがあるなんてことも感じました。
アトラスの発表
アトラスの発表資料をSlideShareに公開しました。
Society to ORCIDはダイナミックなORCIDの生態系の中で皆様のお役に立てるサービスになっていると思います。
ご興味がありましたら、お気軽にご連絡ください。
それでは次回もよろしくお願いします。