ゆるりとしたORCIDの連載 その⑥ ORCID機関メンバーについて(1回目)

ORCID, 2019.01.17

高橋です。

本年もジャーナルカフェをよろしくお願いいたします。
2019年のジャーナルカフェ1つ目の記事は、ORCID連載の6回目です。

今回から何回かに分けて、ORCID機関メンバーについて書きたいと思います。
連載の1回目で簡単に触れましたが、ORCIDは「研究者本人はもちろん、ORCIDメンバーである第三者機関も情報を更新していく」ものです。
ORCIDのキモとなる「第三者機関(ORCID機関メンバー)」とは何か?をご紹介していきます。

ORCID機関メンバーとは?

ORCIDに関わるステークホルダーは大きくわけて2つです。

利用者 ORCIDのIDを持った研究者
ORCID機関メンバー 年会費をORCIDに支払うという金銭的な面での貢献に加え、業績や所属情報といった研究者情報の蓄積・流通で貢献する機関
主に大学、研究機関、研究助成団体、学協会、出版社、ベンダー

 

ご存知のように、利用者は無料でORCIDを利用することができます。
どこからORCIDの活動資金が生まれているのか不思議に思われる人もいたと思いますが、上記ORCID機関メンバーの年会費で運営されているのです。

ORCID機関メンバーの種類とできること

ORCID機関メンバーはベーシックとプレミアムの2種類に分かれます。
加えて、複数の機関が集まりコンソーシアムを結成して契約するプレミアムコンソーシアムというプランがあります。
単体でメンバーになるよりも、コンソーシアムのほうが年会費を抑えることも可能ですが、問合せや契約窓口の一本化などの条件も付加されます。
プレミアムコンソーシアムについては、次回以降で書きたいと思います。
機関メンバーが主にできることはこちらです。

  • ORCIDレコードへの情報の書き込み
  • 「everyone」のデータの取得
  • 利用者が許諾した場合「trusted parties」のデータ取得

※「everyone」、「trusted parties」については連載の第二回をご覧ください。

 

会員の種別により提供されるクレデンシャルの数に違いがあります。

  • ベーシック:1
  • プレミアム:5
  • プレミアムコンソーシアム:5(1機関あたり)
    ※クレデンシャルは、連携できるシステムの数だとお考えいただければと思います。

例えば、会員の管理システム、査読システムのそれぞれでORCIDと連携したい、とお考えの機関はプレミアムで契約することになります。

会員種別や年会費の詳細はこちらをご覧ください。ページ右上の言語で「日本語」を選択すると日本語で読めます。

どれくらいのORCID機関メンバーがいる?

ORCID機関メンバーはリスト化されています。
2019年1月現在で1,000を超える組織がメンバーになっています。

アトラスもORCID機関メンバーなのでこのように掲載されています。

 

今回は、機関メンバーの概要について簡単に紹介しました。
次回以降にもう少し掘り下げていきたいと思います。

次回もお楽しみに。