学術コンテンツをお持ちの発行機関様向け J-STAGEで公開可能なコンテンツのご紹介

J-STAGE, 2018.11.21

皆さん、こんにちは。このコラムを書き始めてから早いものでもう一年が過ぎました。ちょうど一年前にこの記事を書いた夜、昨日のことのように今はっきりと思い出します。なんでもないようなことが幸せだったと思います。さて、今日のコラムは学術的な資料を電子化してはいるが、これからどこかに公開しようと考えている方にJ-STAGEで公開するメリットを何回かに分けてご紹介をしていきたいと思います。メリットの前に今回のテーマは「何を載せて良いの?」です。

J-STAGEの目的

1999年10月に開始したJ-STAGEのサービスは、2003年9月にJ-STAGE2、2012年5月にJ-STAGE3とリニューアルを続けシステムとサービスともに拡大していきました。サービス開始以降大きな方針転換はありませんでしたが、2015年5月のJ-STAGEセミナー「J-STAGEサービス方針説明会」(P.7)にて大きな方針転換がありました。

変更前 変更後
J-STAGE=総合電子ジャーナルプラットフォーム

  • 国内ジャーナルの電子化を牽引
  • 国内ジャーナルの国際発信力の担い手
J-STAGE=日本の学術情報総合プラットフォーム

  • ジャーナルのみならず幅広い学術情報について電子化を推進し、日本の学術情報の国内外への発信力強化、利用機会および価値向上を図る
  • 日本最大級の全文学術情報サイト

要は、「日本の電子化した学術情報を沢山集めて国内外へ発信していく」です。

 

J-STAGEで公開して良いコンテンツ

この方針変更に伴い、電子ジャーナル以外の資料もJ-STAGEに登載可能となりました。詳細は2015年7月24日に開催された新サービス方針におけるJ-STAGEご利用説明会の関連資料「新サービス方針におけるJ-STAGEご利用説明会」でご確認いただけます。J-STAGE全般的な説明、採択要件などもありますので、J-STAGEへの申込を検討されている方は資料を一通りお読みいただくと良いかと思います。ジャーナルと会議録・要旨集以外で登載可能なコンテンツは以下の通りです。

コンテンツ種別 説明 公開資料の例
研究報告書・技術報告書 特定の機関の研究、技術開発、調査の中間成果、活動成果を研究者、技術者向けに広く流布させることを目的として刊行される雑誌、報告書など。個々の記事が原著論文であるものから、短報や紹介記事を掲載したもの。具体的には、企業が刊行する技報(研究報告、技術報告等)や、大学紀要、研究所報告、研究ファンドの報告書、科学技術レポート、「成果報告書」「成果事例集」「研究紹介」などがあたり、研究ファンドの簡易な成果紹介も含む。 森林総合研究所研究報告
テレビジョン学会技術報告
関東学園大学紀要 Liberal Arts
飯田市美術博物館 研究紀要
リアルオプションと戦略
現代と親鸞
解説誌・一般情報誌 技術動向や技術応用等を当該分野及び境界領域の研究者、技術者に広く流布することを目的として、実用的な知識、技術紹介、製品紹介などの記事を掲載したもの。また一般向けの科学技術理解増進のた
めの啓蒙的記事を掲載したものや業界ニュース誌を含む。
サイエンスウィンドウ
情報・システムソサイエティ誌
ワイルドライフ・フォーラム
その他 上記の定義に当てはまらない学術誌。候補として調査資料・統計資料等が挙げられる。 日本経済学会連合 英文年報

 

コンテンツ種別で資料を探す

上記種別のコンテンツにはどのようなものがあるのか、J-STAGE公開中の資料の探し方をご紹介します。J-STAGEは一つの資料に対してコンテンツ種別を1つ、専門分野を複数設定することが可能です。

(1)「資料を探す」-「専門分野から探す」

下記の画面が表示されます。列がコンテンツ種別、行が専門分野のマトリックス状のインデックスです。1行目のかっこ付きの数字はコンテンツ種別の資料数の合計です。各専門分野の数字をクリックするとその専門分野の資料一覧が表示されます。なお、J-STAGEでは1つの資料に複数の専門分野を設定可能なため、2行目以降の数値を合計してもカッコ内の数字になりません。

 

(2)「J-STAGEについて」-「公開データ」-「ジャーナル一覧(ZIP形式)」

公開中資料の一覧が日次で更新されダウンロード可能なリストとして公開されています。下記のジャーナル一覧(ZIP形式)をダウンロードし解凍します。TSV(タブ区切り)形式のテキストデータのため、Excelに張り付けて利用しやすいデータになっています。データ中の「資料種別」列でコンテンツ種別を確認することができます。

 

おわりに

今回のコラムではJ-STAGEに登載可能なコンテンツの種類についてご紹介しました。ジャーナルや予稿集・要旨集のみ公開可能なイメージをお持ちの方が多いかと思いますが、実はそのほかの学術に関するコンテンツの公開が可能です。学術コンテンツの公開先をお悩みの方は無料で公共性の高いJ-STAGEへ公開することも検討してみてはいかがでしょうか。次回のコラムではJ-STAGEに公開するメリットについてテーマごとにご紹介したいと思います。