J-STAGEセミナー「ジャーナルのプレゼンス向上に向けて~評価指標の観点から~」に参加してきました
セミナー, 2018.10.29こんにちは、ダニエル・イッスです。
2018年9月14日に開催されたJST主催のJ-STAGEセミナーに参加してきました。
開催から少し日が経ってしまいましたが、つい先日、セミナーの発表資料が公開されましたので、ジャーナルカフェでも少し触れてみたいと思います。
今回は「ジャーナルのプレゼンス向上に向けて~評価指標の観点から~」というテーマで、会場がほぼほぼ満席になるくらい多くの方が集まっていました。
まず「評価指標」というキーワードでは、
- これまでの研究評価を辿った上での、様々な評価指標の紹介
- 研究者目線でのご自身の経験をもとにした、論文を投稿する上での評価指標の見方
- 実際に評価指標を提供しているクラリベイト・アナリティクス・ジャパン社の発表
と評価指標を様々な角度から捉えた話がありました。
また、「ジャーナルのプレゼンス向上」というキーワードでは、日本気象学会、園芸学会、映像情報メディア学会それぞれがジャーナルの質を向上させる取り組みについて発表されていました。
他の学協会の取り組みを聞く機会が少ないだけに、多くの参加者にとって興味深い内容だったと思います。
だいぶボリュームがありますが、どれも大変参考になる発表でしたので、ぜひ資料に目を通してみてください。
私以外にも何人かのメンバーがこのセミナーに参加していますので、コメントをピックアップしてみました。
ピーター |
学会の取り組みも様々ありましたが、個人的には著者が自分の研究分野にとって有利かどうか、投稿先の雑誌の特徴や編集体制がしっかりしているかどうかなど、いろいろな視点で確認しているという話がとても興味深ったです。 |
ジャスミン |
投稿先ジャーナルを選ぶ指標についてという、著者側の意見としての発表が印象に残っています。
著者が投稿するジャーナルを決めるポイントとして、図に十分なスペースを割いてくれるジャーナルなのか等の細かい点も重要視されており、広い視点で投稿先のジャーナルを選択していることを知りました。 |
ナッツ |
eLIFEの査読プロセスで、著者は査読者からのコメントを受けて実際に修正するかどうかは著者自身が決めて良い、かつ編集側も査読者・著者のコメントを含めて出版し、最終的な論文の評価は読み手の判断に委ねるという新しい取り組みが印象に残っています。
論文は査読者からのコメントや指摘に沿って修正しないと採択されないというイメージが強かったので、著者側の負担軽減や査読プロセスのスピードアップに繋がる新しい流れだと感じました。 |
エマ |
今回はじめて参加しましたが、「園芸学会の英文誌知名度向上の取り組み」が特に印象的でした。国際誌としての知名度を高めるため誌名から「Japan」の文字を外し、かつ、巻のナンバリングは旧誌名から引き継いで歴史あるジャーナルであることをアピールしているそうです。
誌名変更ひとつとっても、投稿者が安心して投稿できるようにしたいという思いから、様々な工夫をされていることが分かりました。 事例として発表された各ジャーナルの目指す姿、実際の取り組みについて学会の方から直接お話を伺うことができ貴重な体験となりました。 |
タケゾー |
J-STAGEセミナーに初めて参加しました。前半のみの参加でしたが、これまで学会としての取り組み等をWebサイトなどで調べたりすることはあったのですが、今回は著者側の話が聞けたのでとても参考になり興味が湧きました。 |
ショージ |
映像情報メディア学会様の発表が印象的で、メディアという目まぐるしく変化し続ける分野の中、常に最先端の技術・情報を取り込んでいることに驚きました。
また、最盛期に比べて放送局、メーカー、大学ほかの会員数の減少、その実情を聞いて近年の現状と傾向の変化が見え、とても興味深い内容でした。 |
参加したメンバーも、普段なかなか聞ける機会が少ない『研究者目線による投稿先の選択』や『海外雑誌の新しい審査体制(これに関する発表資料は残念ながら公開されていません)』、また、『学会の最新の取り組み事例』から多くの刺激を受けたようです。
今回は、セミナーに参加できなかった皆様へ我々が受けたような刺激を少しでもお届けしたいという思いでセミナーの情報をお伝えしました。次回は、セミナーのテーマの続編になりますが『ジャーナルの質の向上に伴う編集業務上の懸念点』と題して、ジャーナルへの投稿数が増加したことによる編集業務の負担について実例を交えながらご紹介したいと思います。
それでは。
イッス!