剽窃があったとき編集委員会での対応は?

Editorial Manager , その他, 2018.05.24

こんにちは。久々の登場 田口です。

我々アトラスが学術業界で仕事をし始めて約20年となりました。
「IT×学術」という専門性から、サービスの問い合わせ以外でも色々とお問合せをいただきます。

先日は学会のジャーナルを担当している編集委員の先生から剽窃に関するお問合せがありましたので、その話をご紹介します。

そのお問合せはこんな内容でした。
「投稿規定に投稿者側の責任を明記すれば、剽窃があった場合においても編集委員会側の責任は免れることができるのではないか」
つまり「剽窃はない」と投稿者に宣言させ、仮に剽窃が明るみになっても、それは投稿者の責任であって編集委員会は免責されるのではないかというお話です。

本件について、専門の先生にも見解を聞いてみましたところ、「編集委員会は免責されない」ということでした。

まず、剽窃が判明した場合は、学会が第一義的に追及して問題を明らかにする義務があります。これは法的な義務ではなく倫理的なものです。
国際的に出版倫理のガイドラインを作っているCOPE(Committee on Publication Ethics:出版倫理委員会)のCODE OF CONDUCT AND BEST PRACTICE GUIDELINES FOR JOURNAL EDITORS では「1.1. Editors should be accountable for everything published in their journals.」とされ、編集者はすべての説明責任を負うとなっています。

剽窃があった際に編集側がとるべき行動についてはCOPEのガイドライン(日本語です)に記載されています。投稿原稿に疑いがある場合と、掲載論文に疑いがある場合の両パターンについて、どう対処してくべきかが詳しく掲載されています。

また、このガイドラインには剽窃の疑いに対する対応の他、以下のような場合の対応ガイドラインも記載されています。

  • 二重出版の疑いがある場合の対応
  • データ捏造の疑いがある場合の対応
  • オーサーシップの疑いがある場合の対応
  • 利益相反(COI)に疑いを抱いた場合の対応
  • 投稿原稿に倫理的問題の疑いがある場合の対応
  • 査読者が著者のアイデアやデータを剽窃した疑いがある場合の対応

このような事は無い事が望ましいですが、万が一発生したときに学会として適切な対応ができるよう、COPEのガイドラインを参考にしつつ学会の規定をしっかりと整える必要がありますね。

私は今年度から学術大会ソリューション部に異動となりました。異動部署でも学術大会にまつわるブログを書いています。
今後はそちらに登場していく予定ですので、よろしくお願いします!

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