査読実績を登録&活用!「Reviewer Recognition(旧Publons)」はEditorial Manager®とも連携できます

Editorial Manager, 2022.12.09

こんにちは。2人目の高橋、高橋ジュニアです!

一層肌寒くなってまいりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。私は暑い夏より寒い冬が好きなので、季節の進みに心が躍っています。コロナやインフルエンザの対策をしっかりして、元気に過ごしたいです。
みなさまもどうぞご自愛ください。

さて、今回は弊社が提供している投稿審査システムEditorial ManagerⓇ(以下EM)での、Reviewer Recognition(旧Publons)との連携についてご紹介します。

Reviewer Recognition(旧Publons)とは?

Reviewer Recognition(旧Publons)は、研究者がジャーナルの査読と編集への貢献を登録し、追跡、分析するためのWebサービスです。 「査読をより迅速で、効率的かつ効果的にすることで科学を加速化する」という使命のもと、2012 年に設立されました。現在は、Web of Scienceの提供元であるClarivate Analytics(クラリベイト・アナリティクス)が提供しています。

Reviewer Recognitionでできること

Reviewer Recognitionでは、無料でアカウントを作成することができます。アカウントを作成すると、以下のような実績の登録や管理ができるようになります。

    • 自身のプロフィールを作成・公開する
    • ジャーナルの編集委員や査読者としての活動を記録する
    • 記録した査読実績を履歴書や助成金の申請などに利用する
    • 統計閲覧ページにおいて査読総数、査読した論文のアクセプト率、査読した論文が掲載されたジャーナルのインパクトファクター、レビューの平均単語数などを集計、分析する

アカウントには一意の ID が割り当てられるので、名前や所属機関が変わっても、上記のような記録を継続して利用することが可能です。

また、Reviewer RecognitionとORCIDを連携させることで、ORCID から Reviewer Recognitionに情報を紐付けすることもでき、反対にReviewer RecognitionからORCIDへ記録をエクスポートすることもできます。
(ORCIDについての詳細はこちらのページをご覧ください)

【Reviewer Recognitionメインメニュー】

【ORCID連携画面】

 

査読実績の登録

続いて、実際の登録方法をご紹介します。
査読実績の登録には以下のように3つの方法があります。

  1. 査読完了後に送信される論文誌エディターからの「査読受領」メールをReviewer Recognitionに転送する
    査読報告を提出後にジャーナルから受け取った「査読受領」メールを、
  2. Reviewer Recognition(reviews@publons.com)へ転送すると、Reviewer Recognition側で査読実績の登録を行います。以下が、有効となる査読受領証明です。(英語以外の証明も可能です。)
    (A) 査読の完了を証明するメール ジャーナル事務局から送信された査読に対するお礼、あるいはエディター判定を査読者に通知するメールで、以下3点の情報が含まれるもの。

    • ジャーナル名
    • 査読者のメールアドレスがReviewer Recognitionアカウント保持者と同一であることを証明する情報
    • 査読完了日 (メール送信日)
    (B) 論文投稿システムの画面
    スクリーンショット
    ジャーナル名、査読完了日、査読者名(ログインユーザーとして名前が確認できる場合も可)が含まれるもの。(PDF形式での提出が望ましい)
  3. アカウント内のフォームで査読を追加する

ご自身のReviewer Recognitionのアカウント内で、手入力で査読実績を追加する方法です。
査読を行ったジャーナル名や査読日付、論文が公開されている場合はDOI を入力し、実績を登録します。
【査読を行ったジャーナル名の入力画面】

 

【DOI入力画面】

3. EMと連携させて、査読実績を登録する

査読したジャーナルがEM利用ジャーナルで、Reviewer Recognitionと連携している場合、EM上から直接査読実績を追加することが可能です。査読者側の手順は以下のような簡単なステップです。

    1. 査読時「Reviewer Recognition に査読を追加しますか?」という項目にチェックをいれて査読を送信する。
    2. 査読完了後、Reviewer Recognitionから査読を追加するためのリンクが メールで送信される。
    3. リンクをクリックし、アカウントに査読実績を追加する。

査読したEM利用ジャーナルがReviewer Recognitionと連携していると、ご自身でジャーナル情報を入力したり、メールを転送をしたりする手間をかけずに査読実績の登録ができます。

Reviewer RecognitionとEMの連携には費用が掛かりますが、このように査読者は簡単に実績をReviewer Recognitionに登録できます。Reviewer Recognitionとの連携を希望するEM利用ジャーナルの編集部の方はEMクライアントサポートまでお問い合わせください。

さいごに

Reviewer Recognitionでは、査読実績を公開する際には論文名は表示しない設定も可能なので、各ジャーナルの方針に合わせて対応することができます。また、登録された査読はReviewer Recognitionによって実績確認が取られるため、信頼性が担保されるのも特徴です。
ブラインド査読を採用しているジャーナルでは、査読者は匿名とされることもあるかと思いますが、Reviewer Recognitionに登録することで、ご自身の査読実績をジャーナルへの貢献として残し、実証、公開することができます。

ジャーナル編集にとって、各分野の専門家による査読は、そのジャーナルの質を保持するためにも必要不可欠です。査読によるジャーナルへの貢献を功績として残すためにも、Reviewer Recognitionをぜひ活用していただけたら嬉しいです♪
それではまた次回のコラムもお楽しみに!